強風時における、足場の倒壊事故へ対する最大の防衛策
2018.3.1 木曜日
昨日の夜更けころから荒れ始めた小田原の空。
春一番のような強風が吹いています。
台風・嵐などの荒天時には、足場の倒壊事故が多々ありますね。
ニュースでも度々取りあげられていますので、目にされた方も多いのではないでしょうか。
このような事故、だれもがなりたくはない災難です。
これが起きてしまう原因のナンバーワン。それは『現場責任者の不注意』が主な要因であります。
これはいったいどういうことなのでしょう。
基本的に、足場にはメッシュシートが掛けられています。

画像内・黒いシートが「メッシュシート」
近隣への塗料やホコリなどの飛散防止のための必需品です。
現場作業をする上で欠かせません。
このメッシュシート(以下 シート)ですが、通気性もあり軽いのが特徴なのですが、風をまともに受け止めてしまう習性があるんです。
(代表日記・2017年1〜4月記事でも触れております)
シートが風にあおられると、船でいう『幌』の役割をしてしまい、その結果家に対して足場全体がものすごい負荷を掛けてしまうのです。
そうなりますと、部分的に足場が外れ、倒壊・半倒壊へと至ります。
また、部分的に足場を支えている『ジャッキベース・壁ジャッキ』と呼ばれるものに対しても重大な負担を掛けてしまいます。
風の方向などの条件が重なるとジャッキベースのみに負荷がかかってしまうことも・・・・
このジャッキベースですが、とても小さなものですので足場のような大面積に圧力がかかってしまうと、その力が一点に集中してしまい大変危険な状況になってしまいます。
支点になる、と言えば分かりやすいでしょうか。
風速が大きければ大きいほどジャッキベースに接地しているカベなどが破損しやすくなります。
そうならないためには、人間の手が必要となってきます。
必要に応じてシートをたたんだりしなければいけません。
以上のことから、現場を担当している者、つまりは『現場管理者』がつねに注意を払う必要が出てきます。(監督のこと)
「これを怠るは住宅に計り知れない負荷を与える」、そう責任感を持ち続けることが大切。
強風注意報が出れば現場の終わり際にでもたためば良いのです。
また、上記のような危険回避策を職人さんに押しつける場合もあります。
わたしも昔、監督さんからの依頼で何度となくたたみに行ったことを思い出します。
でもやはり、職人さんも人間ですから、現場が終われば早く帰宅したいもの。
そのような心の余裕のなさからか、シートたたみをしないで帰ってしまうことが多いみたいですね。
しかし、家に住んでる方にとってみれば、迷惑でしかありません。
ガタガタ・ギシギシと、夜通し鳴り続けていられればゆっくり眠ることもできないでしょう。
ましてや壁に穴が開いたり、最悪の場合足場が崩れてしまうこともありますね。
隣家のカベを壊してしまった、、、なんてことにならないためにも責任者が徹底した管理をするべきなのです。