屋根塗装と遮熱塗装について

塗り替え工事を行う理由の中で、大半を占めるのが劣化や痛みです。

 

その中でも一番痛むのが屋根であり、長年さらされる雨と風・時には雪にも覆われることもあります。

太陽の強烈な紫外線を1年中浴びながら、ずっと耐えている屋根。

 

そんな、健気だけど頼りになる屋根について書きます。

 

 

ここ数年で、よく目にすることのある「省エネ塗装」というものをご存じでしょうか?

省エネという位ですからエネルギー消費量を減らしてくれるものです。

省エネ塗装でよく知られているものの中に遮熱塗料があります。

 

 

る(さえぎる)・と書いて遮熱ですから夏の暑さに効果的なのでしょう。

ここでは弊社でよく使用しているパラサーモシリコンという塗料で解説していきます。

 

以下は同塗料のメーカーさん日本特殊塗料株式会社様より抜粋しています。

 

 

優れた遮熱性を発揮します。  太陽光に対する反射率の優れた着色顔料と熱放射率に優 れたセラミックに、当社独自の技術によりシリコン樹脂を融合。  各種屋根材に塗装することにより、室内への熱の侵入 を遮断し、室内の温度上昇を抑えることができます。  エアコンなどの空調設備の省エネ効果に抜群の性能を発揮します。

※カタログより一部抜粋 

 

太陽の紫外線を反射させ、特殊なセラミックで熱を放射させる、といった内容です。

この塗料を塗った所は真夏(8月・晴れ・35度)にもかかわらず素手で触れます。(若干熱いですが)

しかし遮熱では無い普通の塗料を塗った場所(ほぼ同環境)では、とても素手では触れません。

靴の裏も溶け始める位の暑さです。私もよく火傷をしています。

 

そんな屋根の下には部屋があると思います。  

 

GEDC0635.JPG強烈な熱さが室内の気温を上げ続けるのであれば遮熱効果の高いものが良いでしょう。

ただ、家の構造では屋根の真下には断熱材が設置、貼ってあると思います。

著しく遮熱効果があると言えば、そうではないと思います。(断熱材の効果が活きている限り)

ダイレクトに伝わる熱を遮熱塗装で補い、断熱材でカバーする様なイメージでしょうか。

 

いずれにせよ遮熱効果を実感するには、素手で触れる事でわかります。

実際、弊社にて施工させて頂いたお客様からは毎回「涼しくなったよ」とお声を戴きます。

屋根の塗装とは

先にも述べさせていただきましたが、屋根は一年365日過酷を極めています。

一年中頑張ってる屋根にスポットを当て、その重要性について記したいと思います。

 

ここでは一般的なスレート屋根での事例を参照していきます。

以下、屋根塗装の際に重要になってくるポイントです。

 

 

汚れを徹底的に洗い流す

材質に適した塗料を使用する

水漏れ防止処理の徹底

旧塗膜は取れるだけ取り払う(死膜除去)

絶対に縁切りを行う

 

 

ポイント1 汚れを徹底的に洗い流す 

屋根の塗り替えの時に必ずと言っていいほどコケ・汚れが付着しているのが現状。

長年の歳月で積もっております。

この汚れなどを落とさない、またはしっかり洗っていない状態で塗装してしまいますと、塗ったペンキの剥がれやフクレが発生してしまいますので欠かすことができません。

 

したがいまして、徹底的に洗うことを大前提とします。

 

ポイント2 材質に適した塗料を使用する

屋根の種類は多数あります。スレート・各鋼板・湿式瓦・乾式瓦。

例えばスレート屋根ですが、セメントとアスベストを8.5対1.5の割合で混合したもので水分は容易に浸透します。(現在ではアスベストの使用は殆どないということです)    

 

スレートの特性を生かし浸透させる下塗り材が適しています。

含侵・密着力のない下塗りでは、1年を待たずに剥がれてきます。

ですので、最適な塗料しか使用してはいけません。

 

ポイント3 水漏れ防止の徹底

屋根の造りも多岐にわたりますが、必ずつなぎ目があります。

 

例えばスレート屋根は『棟板金』と呼ばれる金属板でスレート群を連結しています。

一枚もので出来ていれば問題ないのですが、貼り合わせていますので継ぎ目が存在するのが一般的。

釘を使用して固定しますので、そこにもすき間ができます。

 

降雨の際、必ず水が入り込んでいきますので注意が必要。

では、雨が降ったから即雨漏りするのか、と言われれば違うといえます。

 

その理由は構造上雨が入ったとしても逃げ道が存在します。

ですが屋根の中は木や漆喰で出来ていますので長い年月で徐々に腐食しています。

内側から腐ってしまっては手遅れになりかねません。

 

水を中に入れない方法としまして、隙間や繋ぎ目などを隈なく探しシーリングなどの【防水処理】が必要不可欠となってきます。

 

ポイント4 旧塗膜は取れるだけ取り払う(死膜の除去)

新築時に塗装された屋根を重ねて施工していますので1回目の塗替えから塗膜はあります。(ポイント1で述べたように水洗いで対処します)

 

厄介なのは2回目以降の塗替え時で、前回の塗装業者のペンキの上に塗装する時です。

前回しっかりした手順・材料で塗られているならいいのですが、手抜きまたは無知識な業者が行っていた場合は、高い確率でフクレとハガレが生じています。

 

このフクレ等を「死膜」といいます。

死膜は何を塗っても死膜のままなので完全撤去します。(その逆は活膜といいます)

 

これがなかなか、簡単には取れません。殆どの場合、この作業に時間を取られてしまいます。

しかしながら、取り切らなければ上から塗装してもムダになってしまいますので、徹底的に除去します。

 

ポイント5 絶対に縁切りを行う

IMG_0105.JPG先にも述べたとおり、スレート屋根では屋根一枚一枚を重ねて貼り合わせています。

    

降雨の際、その重なっている部分から水の侵入が起こります。

 

 

 

ここで、「なぜ屋根なのに水が浸入するの?」という疑問について説明致します。

 

例えば、ピッタリとくっついたガラス板とガラス板があるとします。

その二つのガラス板を水の中にドボンと沈めたとします。

完全に重みが掛かっていれば大丈夫ですが極々わずかな隙間があると一気に水が逆流してきます。(吸い上げるような表現です)

 

極端ですが、このような現象を「毛細管現象」といいます。

毛細管現象はどこでも起きます。屋根も例外ではありません。

スレート屋根も然り。これを防ぐために必要なのが縁切りという作業です。

 

先ほども述べたとおり、屋根の中身は木などでできています。

水の侵入は長期にわたり確実に腐食させていきます。 

業者との打ち合わせの際には必ずご確認ください!

 

1回目の塗替えでは割と簡単にできる縁切り作業ですが2回目以降では異なります。

それはやはり前回の塗装業者が縁切りをしないで塗っている事が多いからです。

その場合、縁切りカッターという特別なカッターで一つ一つ切断して行きます。

 

また、切ったからと言って良い訳ではなく、もう一つ必要な作業があります。

 

それは「タスペーサーの挿入」です。             

縁切り.png

これは、隙間を維持するための部品です。            

 

隙間を大きく開ければ水の逆流を防げる構造。

 

こうすることによって毛細管現象から水の侵入を防ぐことができるのです。

 IMG_0119.JPG

タスペーサー施工風景

 

重要なのは、塗装前の下地処理。

このような地味に思える作業にも本腰を入れることが、塗替え工事を成功させる秘訣なのです。

屋根塗装の流れ

ここで、屋根塗装の順序を解説していきたいと思います。

 

IMG_0044.JPG
施工前

足場設置後、汚れや塗料の飛散を防止するためにメッシュシートを

張りめぐらせます。

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高圧洗浄完了

白く見えているのが、乾いてきた素地です。

これはセメントなどを混合した物質です。

 

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防錆処理

ボウセイショリといいます。

棟包みと呼ばれる金属部分は基本的に錆びます。

金属部分を研磨してからサビ止めを塗ります。

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漏水の可能性部分のチェック
棟包みなどの繋ぎ目や固定個所には隙間があります。
その隙間を探します。
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防水処置

継ぎ目などの隙間部分を徹底的に埋めます。

画像は釘穴などをコーキングで塞いでいる様子。

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逆プライマー塗布

コーキング処理した所は塗料の密着力が弱いです。

ですので上から再びプライマーを塗布して密着増強をします。

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屋根の下塗り (完全乾燥後に施工)

適した塗料を選定し、素地むき出しの部分に浸透・密着させます。

一回でも効くのですが、弊社では二回塗る事の方が多いです。

密着云々もさることながら、耐久力・耐候性を考慮して、脆弱な箇所には下塗り方法にも気を遣います。(画像は下塗り二回目)

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屋根の中塗り

塗装回数でいう『上塗り』の1回目。

 

 

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タスペーサー挿入

縁切り専用の通気部材です。

これを行うのとそうでない場合の経年漏水の違いは明白です。

先にも記載しましたが毛細管現象を防ぐ画期的な商品です。

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屋根の上塗り

上記の工程をしっかり行うことにより、より良い仕上がり・強靱な塗膜形成ができます。

IMG_0109.JPG
施工完了

こうして全三回を塗り終えるまでにはたくさんの工程があります。

只塗って終わり、というわけにはいきません。

 

 
 

 

 
 
 
 

遮熱塗装が最も活躍する環境

遮熱塗装をお考えの際、参考にしていただきたい点について書きます。

 

遮熱塗料の効果を実感できるのは太陽光が降り注ぐ夏場であると考えております。

極端なことを言いますと、年中曇り空だったり四方八方高層ビルに囲まれていたなら、その効果を実感できません。

つまり、太陽の熱と相対して初めて遮熱塗料の価値が出るのです。

太陽光が直撃する過酷な環境下以外ではその効果を期待できません。

 

では、一体どんな場所に建っている家に遮熱塗装が適しているのでしょうか?

 

それは、東・西・南側の太陽光が降り注ぐ

  • 海・川・湖の近くの家
  • 畑・公園など目の前が開けた土地の家

などの環境にあるお住まいが対象となります。

 

上記のような環境のお宅の場合365日、屋根や壁に紫外線が直撃しており、こうしたお住まいにこそ遮熱効果が発揮されます。

 

いや、太陽が当たる全ての建物もそうですね。

 

遮熱塗料を最適な工法にて塗装することにより直接の太陽光を拡散(乱反射)して弱めることができますので、屋根壁が守られるのと同時に室内温度の上昇を抑えることができる、と期待されます。

 

ただ前にも述べたとおり、ほとんどの家の内部には断熱材が入っているのが現状です。

この断熱材により外壁面(外側)の冷暖がさえぎられています。

即ち、遮熱塗料を塗ったとたん家の中が涼しくなった!ということはなかなか少ないとも感じます。

 

断熱材がしっかり活きている家は、逆に普段から涼しいと考えられるのが普通。

でも、暑くてどうしようもない」とおっしゃられる方がいることも事実です。

 

そうおっしゃられる方の家の内部では、様々な原因が考えられます。

 

例えばですが、断熱材はしっかりしていても隙間だらけの壁だったり、ものすごく窓が多い家だったり、もしかしたら新築時の手抜き工事が原因だったり・・・・。

と、いろいろな事例がありますが、壁を壊して確認しないとわからないことも多いのが現実。

 

実際、一部断熱材が入っていない壁というのも見たことがあります。

(プレハブや工場などでは多いですが住宅では手抜き工事と考えます)

 

それではそういった内部に原因がある家の場合、どう対処をするべきか。

ここで活躍するのが遮熱塗料です。

隙間や穴は塞ぐ処理をした後に遮熱塗装をいたします。

塗装後、外壁の表面温度が下がります。特に鉄板の壁などでの差は、一目瞭然です。

触っていただく機会があればびっくりされるかもしれません。

 

遮熱で表面温度が上昇しない断熱材の効果が少ない造りの場合=室内温度の上昇を抑える

 

という法則が実現いたします。

断熱材がしっかりしていて、普段から夏の暑さをあまり感じない家に住まわれている方には私からおすすめは致しません。

 

しかし、一つだけ言えることがあります。

 

それは室内温度の変化を感じることができなくとも、屋根・外壁(付帯部も)の劣化速度を格段に遅れさせることができる、ということです。

省エネルギーを推奨している立場で言わせていただくと、劣化が遅くなればその分建て替えるリスクも回避できますし、次の塗り替え工事も先送りにすることができます。

外壁塗装もエネルギーがかかりますし、ゴミも出ます。

また、産業廃棄物を燃やすのにもエネルギーを使いますしダイオキシンも出ます。

 

以上のことから私は遮熱塗料をもっともっとご利用いただければ、と常日頃から考えております。

 

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