雨や風から窓ガラスを守ってくれる【雨戸】──。
普段使う機会が少なくても、台風のような荒れた天気の時には、特に利用されるかと思います。
そんな雨戸ですが、新築時には既製品(出来合いのもの)として工場出荷され、家のサッシ枠などにはめ込まれているはずですが、経年によって初期コーティングが劣化している事例が多くみられます。
築10年以上経過したものは変色や退色をしている場合が多く、設置場所によってはサビの発生もあるかもしれません。
劣化した状態が長く続きますと、雨戸表皮の落下や穴が開いてしまうこともありますので、定期的なメンテナンスが必要となってきます。
雨戸の種類
住宅の雨戸の中で、多く使用されているものが以下のような2つの種類となります。
@金属系雨戸
A木製の雨戸
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サビが発生する
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熱伝導度が大きいため太陽光の影響が顕著に出る
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塗料を吸い込まない
- 雨水で腐食する
- 熱伝導度が小さいため外気の影響を受ける速度が遅い
- 引火しやすい
- 塗料を吸い込む
つまりその性質上から『塗装方法の違い』『使用すべき塗料の選択』が変わってきます。
「その塗料が適しているか」「どう塗るのか」「何のために塗るのか」が前提となり、素材・環境・条件に適したもので施工する必要があるのです。
雨戸塗装の流れ
ここでは、金属系の雨戸塗装の例を挙げてみたいと思います。




金属系の雨戸は、降雨などが原因でサビの発生が起きやすく、酸化を防ぐために塗膜で覆うことが大切です。
また、直射日光が当たっている場合、熱伝導の働きからとても熱くなってしまいます。
ということは熱エネルギーを受け続けているわけですから、完成した塗膜自体の劣化速度がより早くなってきてるといえます。
そのような環境下に置かれた金属雨戸には、普通の塗料を塗るべきではないと考え、
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遮熱
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断熱
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高耐候塗料
木製雨戸の場合ではどうでしょう。
『木』は水分を吸収する材質であるため、含水しない下地形成が求められます。
水を含まない=腐らない、という原則があるように雨水などを吸収しなければ木は腐りません。
それにしたがい塗料選びには『浸透型』+『造膜型』を選択することが大事で、ここさえ抑えておけば材質そのものを長持ちさせることが可能となります。
また、含水後3日間ほどは塗膜はく離を起こしてしまうため塗装ができず、施工方法にも注意を払わなければいけません。
雨戸などの付帯部では、表面を塗膜で守ることでしか防衛手段がありません。
金属系・木製問わず、使用する仕上げ塗料には高耐候・遮熱・断熱のいずれかを選択することがとても重要です。
逆をいえば、高耐候性のある塗料以下は使用しない方が良いといえるでしょう。