塗り替え工事におけるアスベスト事前調査の法律をご存じですか？

住宅の外壁塗装およびリフォーム工事をお考えの皆様へむけてお知らせいたします。

すでにご存じの方も多いとは思いますが、国交省・厚労省・環境省は大気汚染防止法の観点から令和5年１０月１日着工開始の工事より建築物石綿含有建材調査者講習を修了した者のみに対し、事前調査の専門資格を付与しました。

令和５年９月３０日までであれば誰でも見積もり調査をして良いというわけではなく、『令和５年10月１日開始』の工事まではギリギリ免除しますよ、という内容です。

結論を先に申し上げますが、これ以降の石綿調査を届け出なしで行なってしまったり、無資格者が勝手に実施してしまうと違法行為となり、その業者は３か月以下の懲役または３０万円以下の罰金が科せられるようになりました。

この先は【名称：建築物石綿含有建材調査者（けんちくぶつ-せきめん-がんゆうけんざい-ちょうさしゃ）】という資格者が主体となり調査を行うことになります。

繰り返しますが１０月以降工事分からは上記の資格をもって初めて、調査できることになります。

石綿（せきめん）とはアスベストのことであり、その機能性・利便性・経済性などから過去の日本において大量に使用されてきた建材の事であります。

これらは破砕した鉱物からなるものであり、耐熱・断熱・防音性など事実上の優れた性能のみに着目して利用されてきました。

特に昭和期、その多くを各建材に含ませたり、厚い層を形成したりしながら、建造物をはじめとした多岐にわたる製品において耐久性能を付与し続けてきたという背景がありました。

しかし、その一方では健康被害が徐々に露見されてきます。（以下、環境省PDFより抜粋）

石綿に関する環境省パンフレット→私たちの環境とアスベスト (env.go.jp)

病名は石綿肺・肺がん・悪性中脾腫として知られています。

この健康被害ではじつに多くの方が亡くなられ、また今日でもたくさんの方・ご遺族の方々が苦しんでおられることにつき、しんあいペイントのサイトではその被害について言及することを差し控えたく存じますが、アスベストによる健康被害は未だ解消されることはありません。

何十年も過去に使用されていた物質であるならば、もう心配ないのでは？といった質問を何度か聞いたことがありますが、一般住宅に限らず学校や公団、公共施設などそこらかしこに存在しているのが現状です。

屋根や内外壁に限らず、昔まではストーブや車のブレーキパッド等にも使用されていましたね。

すこし大げさな物言いになりますが、平成期以前に建てられた建造物のほとんどにおいて、大小にこだわらなければ何らかの建材に含まれていると認識すると良いかもしれません。

平成１８年９月においては石綿の輸入、それ以前に製造された製品の譲渡・提供・使用が全面的に禁止されましたのですが、微量とはいえそれ以降も暫定的に製造禁止が猶予された製品もあります。

ここでもう一つ注意するべきことがあり、それは禁止された後でも『在庫品を使用し続けていた施工業者もいた』という点であります。

なにも当サイトで誰かを暴露する等といったネガティブな意味合いではなく、「平成○〇年以降の建物だから絶対安心できるんだ」という安全神話に委ねるのはいささか危険分子を排除しきれない観点から申し上げております。

石綿調査員はすべてにおいて注視し、決して楽観視することなく専門的見解にてアスベスト含有の有無を調査する義務があります。

ずさんな調査もしくは無資格者によって調査を行ってしまえば、その物件に対し石綿含有しているか否かの判断すらつかない事が容易に想像できます。

高圧洗浄で表面が削れて石綿が飛散してしまった・・・

天井や壁に穴をあけた際に同じく飛散してしまった・・・

お施主様をはじめ近隣の方々へ健康被害がこうむってしまうのはニュースの中の話だけではありません。