巧言令色鮮し仁
2020.1.23 木曜日 晴れ
突然ですが皆さまは、見栄えが良く巧みな話術で近づいてくる人と接したことはございますか?
初対面の場合、人はまず外見で大方のイメージを判断しその後、話す内容や人となりで相手を判断すると言われています。
そしてこの心理学を応用し、営業活動をおこなう事でトップセールスマンになれるのだそうです。
実はわたくし、過去に一度だけ営業成績を上げるセミナーに参加したことがありました。
私は駆け引きが大の苦手なので二度と行く事はありませんが、そのセミナーでは心理学を用いて他人の懐の中に入ることを「基本中の基本」と言い切っていて、またその講師の熱弁が印象的でした。
これら、世間一般の営業マンには、おおよそ浸透していることかもしれませんね。
さて、タイトルにあります【巧言令色鮮し仁‐こうげんれいしょく すくなしじん‐】、これは現在から数えて約2500年程前、今の中国で活躍した哲学者であり思想家の『孔子』さんが言ったとされる言葉。(孔子さんについては殆どの方がご存知だと思いますので割愛)
儒教の創始者であることからも察する事ができるように、礼儀や人格・正義などを善しとする教えを広く説いていた方です。
そんな孔子さんが言った巧言令色・・・・、実はこれ、過去にも現代にも通じる、≪人の心の悪い部分≫を表した言葉。
巧言令色とは、巧な言葉(うわべだけ/表面上では取り繕う、的な)・令色(良い見た目・高貴な感じなど)が合わさった言葉。
鮮し仁とは、仁(心深さ/人間らしさ等)が鮮い‐すくない‐(少ない若しくは欠けている)といった事の意味だと解釈します。
おそらくは、場のニュアンスで変わってくるものの、
●見た目がよく
●気品ある人間が
●言葉巧みに
●うわべばかりの計り事をしてくるさま
を、上記のような言葉で残したのではないかと察します。
そしてこのような事象は数多くあり、巷では常に渦巻いています。
例えば押し売り・詐欺・色恋沙汰など枚挙にいとまがございません。
今回なぜこのような話を記事にしたかと言いますと、詐欺だの犯罪だの、色々な情報が飛び込んできており、それらは憤りを飛び越し悲しい気持ちになってしまい、文字に起こさせて頂きました。
犯罪は罰せられるべきであることからここでは触れない事といたしますが、詐欺のように「後になって気が付いた」「うまく丸め込まれた」「苦情を言おうにも相手と連絡が取れない」・・・・などなど、グレーゾーンな事案や時すでに遅し(立件するのが難しい)事由が後を絶たちません。
・・・まったくもって後を絶たないのです。
ことリフォーム・塗り替え工事にて被害にあわれた方からの電話相談が私にも度々掛かってきておりますが、聞けば大抵の場合、上記孔子さんの言葉が当てはまっているように感じてなりません。
表向きの良さないしは誠実さを作り上げる話術・媚びへつらうその仮面の裏にある悪意を表に出さずして自らの欲望を叶えんとする、そんな騙し屋が横行していることに切なさすら感じてしまいます。
わたしは【巧言令色・・・・】よりも、常々【剛毅木訥近し仁】に、近づきたし。
皆さまも、決して表面だけで御判断をせず、その内部にある本質を見抜いて身を固め、そして健やかにお過ごしください。