なぜ漏水するのか?身近なものでの実験
2018.8.1 水曜日 晴れ
【毛細管現象】
日常生活で、ふだんから何気なく目にする光景。
洗い流した皿を重ねた時に残った水分が、「皿同士をピタ―っとくっつけているなぁ」とか、「テーブルに置いたグラスが勝手に動いた!」とか。
このような事、目にしたことはありませんか?
実はこれらは毛細管現象(以下、毛管現象)によるもの。
この現象、こと塗装工事をはじめとした防水に関わる作業では重要視せねばならない出来事なのです。
例えば下の画像をご覧ください。

実験前のしょうゆ
例として、皿にしょうゆを垂らします。
これは何かといいますと、タイトルにもある通り『なぜ漏水するのか?───』ということを、身近なところで体感してもらうための実験です。
この現象は、屋根・外壁などのいろいろな部分で起きている現象で、漏水の原因として悪名高い事象でもあります。
実験名:【ご家庭で出来る毛管現象の確認】
被験者:お箸

一本箸での毛管
片方の箸だけでは毛管現象の要因とはなりませんので、この場合先端のみへの付着となりました。
次は、2本箸。

箸のすき間を2〜3ミリに保ちながら、しょうゆに接触してみると上の方に吸い上げられていくのが分かります。
ですが、その遡上も幅3〜4ミリポイントで停止しました。
続いて幅を密着させた箸をつけてみます。

上昇水位が大きくなる
先ほどの水位よりも上の方へ向かっているのが確認できますね。
原因は表面張力によるもので、箸(本来なら管)の幅が狭ければ狭いほど奥へ奥へと吸い上げられやすいと言えます。
この他、冷やし中華やソバなどの麺類へのつけ汁吸収などにも同じことが考えられ、いたる所にその現象が起きているのです。
箸=屋根として仮定しますと、すき間が開いていない屋根ほど雨漏りリスクが高くなると言えます。
屋根塗装の際の、
・縁切り
・タスペーサー挿入
外壁塗装時の、
・ひび割れへの止水処理
・水切り部分へ吸水対策
などを施工する最大の意義は、この毛管現象を阻止するまたは排水を促すことだと断言できるのです。
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