2023年9月21日

窓などの開口部付近に多く発生する浮きや爆裂、クラック等の例
雨漏り調査や改修工事の際、先ず初めに行なうのがヒヤリング→現地調査です。
この現地調査の際よく目にするのがクラック(ヒビ割れのこと)です。
過去に別の記事でも言及しているのですが、なぜクラックが起きやすいのか?と度々聞かれることがあるので当医院でも改めて書きます。
W造・S造・RC造など壁の中身にある内容は違えど、壁面というのは文字通り『面』です。
様々な要素から成るこの壁面は地震時などの揺れに”ある程度”追従できるような仕掛けを必要とします。
誘発目地など弾力性のある防水機能が有名でしょうか。
そんな中、窓などの開口部はその『面の中をくり抜くような形』で貫通部を設置しています。(当ページでは仮に窓として統一します)
くり抜くと言っては語弊がありますが、結果的に空洞部を設けなければ窓や換気口を取り付けることができません。
もちろん消防法など絡んでくるわけですから窓は必要ですよ。
そのような窓には揺れが起きたときにひずみが生じやすいので、自ずと亀裂やクラックが発生するようになります。
そうなりますと必然的に雨水の進入口となり、いずれ雨漏りの原因にもなり得てしまいます。
タイトルの【建物のメンテナンスは窓周りにも注目】は、まさにヒビ割れが起きやすいポイントであります。
屋根あるいは高所の壁面等なかなか見づらいと思いますし、ハシゴで確認するにしても転落の危険が伴います。
しかし窓周りであれば地上から確認しやすいですし特に亀裂が入りやすいポイントでもあり、私としては目で見てわかりやすい箇所だと感じています。
ただし、2階以上の部位においては室内からのぞき込まなければ見えないため、当然のことながら注意は必要です。
この他にもメンテナンス(改修など)におけるチェック項目はいくつもあり、例えば、
●木造サイディングなら各所シーリングの破断の有無
●RC造なら壁面亀裂やそこからのサビ汁の有無
●S造なら各所中央~端部におけるクラックの有無
●基礎周辺のヒビ割れ有無
などすべてに共通しそうですが、その構造物に合致する不具合のチェックポイントが存在します。
弊社の場合ですと高いところも直接目視したり打検で拾ったりと、それぞれに応じたチェックリストを設定しています。
RCの場合なんかでは外壁自体が一枚の厚い層(硬度のある材が外壁だけとなるため、その裏側がダイレクトに居住空間というイメージ)であるため、漏水調査の際とくに注目するのが浮き塗膜=クラック・貫通クラック=スラブへの流入=下階などへの雨漏りという構図です。
この状態だと目に見える雨漏り以外は基本的に壁内漏水であることがとても多いのです。
よくヒビ割れがあってもすぐには雨漏りしない・・・なんていう業者をよく目にしますが、状況次第では只の無知識なんだとバレバレな人もいます。
当然のことながら、そこまでやるのは調査・改修業者の範疇となりますので発注者様の責務ではありませんが、やはり普段から見ることの可能な窓周りというのは、毎月一回程度は見ておきたいポイントであると常々思います。
建物のメンテナンスでお困りの方はご遠慮なくお問い合わせ下さいね。