安かろう悪かろう 消費者の心理につけ込むワナ
2021.9.18 土曜日 雨
一年3ヶ月ぶりの日記更新となります。
コロナウィルス感染症が収まる気配もない中、皆様はいかがお過ごしですか?
さて、タイトルにあります『安かろう悪かろう』ですが、皆様も実感されたことがあるかもしれません。
私が言うのも恐縮ですが例えば、100円のものが世間相場だとしますと、70円ですとか60円、下手をしたら30円といった価格帯で販売されることもある商品があるとします。
消費者心理としては購入する際のハードルが低くなり、そのお得感には多幸感すら感じるかもしれません。
消費者がうれしい気持ちになるのは言うまでもありませんが、販売者側は実際どうなのでしょう、相場のものを激安価格で売るのには訳があるはずです。
小売り業の場合にはメーカー希望価格や卸価格等があり、仕入れ額とにらめっこをしながら時勢に応じた販売展開をされているのかもしれませんが、ことリフォーム業界における安売り営業に至りましては『諸刃の剣』となることが懸念されています。
原価+人件費+必要固定費などに加え、経営を継続していくために必要な利益を考慮した上、適切な価格帯にて工事そのものを実施する必要がありますが、いまだ激安リフォーム業界の販売体系に変化の兆しは見られないようです。
それではなぜ安い価格帯で工事を行なうことができるのでしょうか。
考えられる要素として、原価・人件費の省略化が挙げられます。
「①原価を下げればお客さんが飛びつく→②契約がたくさん取れる→③安い業者へ丸投げし、請負わせる事ができる=自社のみ高利益を確保×物件数を増やすことができる」といった構図ができあがります。
言い方は悪いですが、激安商法を行なっている人は実際にこう言います。
私は安い工事と下請け・丸投げの批判をしているわけではありません。
消費者様が得をすることは、商売人からしてみれば崇高なことであり、それでこそ事業を行なう大義となるかと思います。
(皆様が心から喜んで下さるのなら、わたくし自身明日にでも激安商法を取り入れたい程です)
しかしここで、お客様にとってとんでもない弊害が生じることがあります。
それは、作業する側が無理な金額で泣く泣く請け負うがゆえに起こりうる雨漏りや塗膜剥離、近隣トラブルや作業中の事故など、様々な懸念材料が浮上してきます。
新聞やニュースなどで多数取り上げられているので割愛致しますが、注文した工事金額の何倍もの修繕費用が掛かってしまったり、人命であれば取り返しのつかない事になる場合もあるのが、安い工事の弊害であると私は考えています。
実際に私が見てきた事案でありますと、新築した建築会社や塗替え工事業者の手抜き工事などによって莫大な修繕費用となってしまったお客様方も少なからずいらっしゃいます。
これはお客様の『建築や雨仕舞いに対する知見』が少ないもしくは殆ど無いことにつけ込む、悪徳業者の甘いワナであると断言申し上げます。
建築に関する知識というのは、長年建築に触れ続けていなければ獲得できるものではありません。
そこに乗じ、お客様が見ること・確認できることができない方法を用い、先ほど申し上げました原価・人件費を省略化するに至るのだと思います。
もう一度言います。
安い工事には何らかのトラブルがつきものとなります。
どこかの工事会社にて施工(または現在進行中)されたオーナーさまが、上記に挙げたようなトラブルに見舞われ困り果てた結果、当サイトを通じ弊社に電話相談をされるケースが多いことを踏まえ、こちらにて記載致しました。
このような相談事例がかかってくるのも事実です。
「業者は儲かってはいけない」などと言いたいのではなく、のちのちお客様が損をするような事例が後を絶たないため、この事を注意喚起として是非お読み下さったオーナー様の記憶の片隅に入れておいてほしい願いがあります。
業者側が本当に激安で行なう根拠があるのなら、塗料メーカーをはじめ建築のルールに則った工法手順を用い、お客様にその証拠を提出する必要があると断言申し上げます。