縁切りの大切さ|切削工程
2018.7.14 土曜日
スレート屋根の塗装工事において大変重要な工程に『縁切り作業』というものがあります。
これは、屋根一枚一枚のすき間を確保することが目的です。
2回目以降の屋根塗装の場合には、ほぼ必要となってきます。
ほかのページでも度々触れておりますが、本当に大切な工程なのです。

縁切り施工前の屋根
まずは、下塗りが終わったあとのスレート屋根です。
一見して特に問題が無いように見えます。

工具をいれてみる
そして一枚一枚の重なっている部分に、おもむろに刃物を入れてみます。
すると・・・。

水分排出
なにか出てきています、これ何だかわかりますか?
なんと、屋根の裏側から『水』が出てまいりました。
水といっても、随分とカビ臭のする水分です。
長い間、屋根内部に溜まっていたのでしょう。
ぱっと見、何事もないような塗装風景ですが、縁切りを施すとこのように内側に溜まった雨水が排出されるのです。
「縁切り」とは画像のように刃物を使用し、重なり部分にすき間を空ける工程のこと。
ご覧のように内部に存在する水分を逃がすことができる、とても大切な工程なのです。
この工程はスレート屋根の、一枚一枚すべてに行わなくてはいけません。
縁切りをしないで仕上げ作業を終えてしまうことは、屋根にとって非常に危険なこと。
水の逃げ道がない=屋根の下地に打ち付けてあるクギ穴からの漏水の危険性が格段に上がってしまいます。
ちなみに縁切り作業ですが、たいていの場合では一日では終わりません。
この日も完了することはできませんでした。
全部の屋根にすき間を空けると言うことは大変時間を要します。
ですが、やった分だけ建物の劣化要因を消し去ることが出来る、そんな大切な工程なのです。