高圧洗浄時にわかる、前回の手抜き施工
2018.3.16 金曜日
塗装工事を行う際、はじめに行うのが高圧洗浄という工程です。
高圧洗浄とはカビ・コケ汚れ・ホコリなどを洗い落とす作業で、以前の工事の時に塗られた古い塗膜まで落とす作業のことを言います。
外壁塗装以外では、清掃作業でも使用しています
この工程をしっかりと行うことによって、これから塗る塗料の密着力が格段にあがります。
逆を言うと、いい加減なやり方で洗浄してしまうと、せっかく塗った塗膜が剥がれてしまいます。
その現象を『塗膜はく離』といいます。

微塵のコケ汚れも残さぬように時間をかけて行うのがセオリー
そんな洗浄作業ですが、この時点で前回の工事内容が分かってしまうことがあります。
それは巷でよくあると言われている手抜き工事で起きる『塗膜はく離』の有無です。

こちらは高圧洗浄前の様子です。
赤丸で囲んだ部分に、うっすらとハガレのような黒ずみが見えますので、これを洗浄してみます。
高い圧力をかけてみると・・・
ご覧のとおり、いとも簡単に剥がれてしまいました。
うす茶色の旧塗膜は残っておりますが、脆弱部のみ消滅しています。黒く見えている部分は下地です。
今ではもう原因はわかりませんが、水洗いだけで部分的に剥がれるのは【シーラー未塗装】の部分ではないか、と思います。
またはコケ汚れの残った状態で塗装してしまったのか。
いずれにしても、こういった症例はたくさんの現場で見てきています。
ひどいところでは、水洗いで全体的にハガレ落ちてしまったこともあります。
こうやって見ると、いかに洗浄・下塗り工程が大事かがよく分かります。
業者の立場から言えば「ハガレた物は落とすのみ。」
これから行う塗装工事では施工不良をおこさない、ということだけが求められますが、ご依頼くださるお客様をがっかりさせるような工事だけはしたくないものです。