タスペーサー無しでは語れない、屋根の塗替え
2018.2.9 金曜日
工事ブログの更新もままならない、ずぼらな片山です。
ここ数日間のお問い合わせではスレート屋根の塗装見積もりが相次いでおり、タスペーサーについて説明させていただく機会が多くなりましたので、こちらでも記したいと思います。
タスペーサー(販売元 株式会社セイム 様)とは、スレート屋根の塗り替え工事で欠かすことのできないアイテムで、屋根内部の寿命を延ばすための必需品のこと。
別のページでもたびたび登場するこの部材。いったいどういうものなのか。
この記事であらためて紹介したいと思います。

タスペーサー挿入風景
スレート屋根と言えばこのようなタイプが多いと思います。
画像の中にいくつかの突起物があるのがわかりますか?
施工最中ではありますが、これがタスペーサーです。

裏と表・このような部材です
↑ 詳細はこのようになっています。(なんだか、内職で組み立てる部品を思い出しました・・・笑)
では、これがどのような働きをしてくれるのでしょうか。

屋根の断面図のイメージ
スレート葺きの屋根の場合、このような形状になっております。
緑色で描いた線・つまり屋根の部分なのですが、ここがはじめの防水ポイント。
スレート屋根瓦のわずかな隙間から水が浸入することが多々あり、それを防ぐために一役買ってくれているのが当該部材です。
それでは、実際の流れを見ていきます。
一見、変わった様子のない様子に見えるスレート屋根ですが・・・・・。

なんてことのない普通のスレート屋根の様子

挿入すると、中から水が・・・
部材を強く押し込んだところ、瓦の中に停滞していた雨水が流れてきました。
この原理は至って簡単で、塗料で密着〜半密着した部分に起こる『毛細管現象』が引き起こすものです。

その『毛細管現象』がおこる状況に対して、上の図のような感じで部材が
- 屋根と屋根に隙間を作り
- 押し上げることで通気スペースを確保し
- 毛細管現象を引き起こさない
という効果を発揮してくれるのです。 また、はじめての塗替え工事でもタスペーサーを使用しないわけにはいきません。

山越スクレーパーで、縁切り作業
そして、もうひとつたいせつな工程があります。
タスペーサーを入れる前に必ずやっておきたい塗膜カット作業『縁切り』。
縁切りとは毛細管を起こす要因となる、塗料による目詰まりを切断する工程です。(上の画像)
以上の工程・手順に関しては、屋根の寿命を左右するほどの大事な流れになります。
すでに屋根塗装を行っている場合には是非確認してみて下さい。
当然、タスペーサーを入れないで屋根塗装を行ってしまった場合、内部には湿気や雨水が残り続けてしまうということになります。

ようやく安心して屋根が塗れる・・・・
こうしてはじめて、屋根の塗り替えに集中することができるのです。
スレート屋根を塗替える際に必要不可欠な工程、『タスペーサー』と『縁切り』・・・これなくして屋根塗装は語れません。