施工不良その4 一次防水劣化時、壁内を荒らす『引き込み役』

外装にサイディングボードを用いた住宅。

 

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追従性のあるシーリングを同時施工することが多く、比較的揺れに強いのが特徴

 

建材にはそれぞれ長短はございますが、このサイディングボードという壁材、とても人気がございます。

人気の理由は、施工の速さや通気性付加、そして何よりも多くのデザイン(意匠性)を選べることから注文する方が多いのだと思われます。

わたくし個人的には、1次防水と2次防水との関係性 を良好に保つことができるのであれば、非常に理にかなった壁材だと感じます。(メンテナンスありき、という事)

 

ただし、新築時の施工方法に誤りや手抜きがあった際、不具合箇所の発見に大きな遅れが生じてしまうという危険をはらんでいるのも事実です。

 

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画像の住宅は、築年数よりも劣化度合いが大きかった

 

上記の画像、一見「ずいぶん傷んでいるなぁ・・」とは思っていましたが、いざ着手してみると案の定、いくつかの要因がありました。

(このページではそれらの要因には触れず、【一次防水劣化時、壁内を荒らす『引き込み役』】タイトルにある通りのポイントに着目していきます)

 

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既存の劣化シーリングを撤去した様子

 

板間目地にある古いシーリングは撤去するのが基本ですから、確実に削ぎ落していきます。

通常、画像のような青いフィルムに覆われた金属目地またはステンレスカラーの目地が出てくるのですが、今回は『出てきてはいけないもの』が出現しました。

 

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目地の設置不足(木質露出箇所)

 

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雨水が入り放題となる事は、想像に難しくない

 

流入した際の雨水を、できるだけ安全に下部へと流すための砦である目地(ハットジョイナー)が適切に配置されていない様子です。

画像ではベニヤ板のような質感の木が見えると思いますが、このような状態、あってはならない状況であります。

なぜこのようになっているのかは新築施工をしたハウスメーカーや工務店に聞いてみないとわかりませんが、水が入ってしまう状況となっている以上、私としては放っておくことができません。

さっそく、水の特性をうまく利用し、不具合の修正へと着手します。

 

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工程の途中風景(ピンク色の裏側は企業秘密にて・・・)

 

手抜き工事を目の当たりにしてしまった際には、複雑な方法を用い内部で造形を施すことが求められるのですが、いくつかの計算の中で修復方法を決定いたします。

その理由はこの後、こちらの目地の中へとシーリングを充填することから、『ただ単に修復(塞いでしまう事)すること』は禁じ手であり、プロとしては深く考えた上で施工内容を決めなければいけません。

重要なのは、

●2面設置であること

●上部から水の侵入があること

●裏側や内部への浸水が100%ない造りとすること・・・など。

後年おこり得るシーリング劣化を予測することも重要なポイントです。

上記を理解せずに設置してしまうと、あとあと雨漏りしてしまうのでご注意ください。

 

 

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シーリング〜塗装を終えた様子

浮きや反りなど、『動きのあるサイディングボード』には厚みのあるシーリングを行う必要があるのですが、ハットジョイナーの不足があるような場合、特に強調した防水加工が求められるのです。

この考え方もまた、雨仕舞いといいます。

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