良い商品やサービスを選ぶために〜相見積もりについて〜
2018.9.13 木曜日 晴れ
【相見積もり】
・相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取る事で予算や品質など、自分にあった商品(サービス)を見つけ出すことができる。 |
塗装工事であればここ10年で、ごく当たり前になってきたこの方法ですが、じつは意外な落とし穴があるのをご存知ですか?
・・・その前に『相見積もり』とは何かを簡潔にのべます。
ふつうの見積=見積り1社のみ
①相見積もり=見積り2社以上
①の詳細
↓
①A社・見積り100万円
②B社・見積り140万円
③C社・見積り60万円
①②③の業者選考・・・・・
↓
③C社60万円に決定!!!
このような流れが一般的な相見積もりだと思います。
相見積もりといえば、商品を安く安く買える代名詞的イメージですが、こと塗装工事のように手間暇かけて仕上げる商品に関して言うと、意味合いが少し違ってきます。
例えば、『ただ単にカベに色を塗りつけるだけの会社』と、『仕事が丁寧な会社』とでは価格帯に大きな差が出ます。
これが相見積もりの時で、実は各業者間に技術力・専門性の違いがあった場合、見積書を見たお客様が、
「各社の金額にバラつきがあって、よく分からない・・」
と、困惑を招きやすいと感じます。
技術力などに力を入れている業者であれば、金額はそれなりに高くなる傾向にあります。
逆もまたしかり。
最終的に施工業者のことを選ぶわけですが、これが中々むずかしい。
なぜなら、たいていのお客様は【塗装工事の本当の内容と相場】を知らないからです。
で、業者の方もあの手この手で購買心理を揺らしてきます。
たとえば「今日契約なら50万円引きに致します!」・「A社さんが100万円なら、うちは89万円で施工します!」などといった『お値打ち感』を演出するわけです(笑)
わたしが聞いた中で過去最高値引き価格は、戸建て塗り替えで『200万円引き』。
大型物件ですが、200万円台の工事で−200万・・・・。(その業者さん、一体どうやって生活しているのでしょうか??)
もちろん、お客様が「良い」と思えば、値引き幅が大きければ大きいほど良いに決まっています。
ですが、ここに意外な落とし穴があるのです。
相見積もりとは競り要素だけではなく、『業者の考え方を知る方法』であるという側面もあります。
業者の考え方とは施工姿勢(施工内容)であり、建物の寿命を左右してしまうほど重要なこと。
寿命を延ばすためには、一から十まで徹底的な下調べをし、対策を練り実践することで10年以上の品質維持を保てます。
逆に、あまり時間をかけずに施工してしまえば、早い期間での塗膜はく離や色ムラが・最悪の場合『雨漏り要因』を見落としてしまい漏水することだってあります。
乱暴な言い方ですが、工事費が安くなればなるほど施工品質は下がります。
10万円値引き→下地処理をしない・・・15万円値引き→必要工程を省く・・・・、おそらくこのような内容で品質を落としながら値引き対応をしなければ、大きな値引きは出来ないでしょう。
先ほど申しましたとおり、塗装工事とは手間の掛かるもの。
時間と労力をもって一つの商品=塗装工事が完成します。
金額という部分にだけ焦点を当ててしまうと、お施主様ご自身が施工内容に注意をはらえず本来あるべき施工品質を低下させることに繋がってしまうような感じがします。
以上のことから、相見積もりを行う際に重要視する必要のあることをまとめます。
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上記は、同業者として私が本当に感じている部分で、大方合っていると思います。
もちろん、人によって受ける印象や求めているものの違いはあるかもしれません。
競りとして沢山の業者から見積りをとられることも良いと思いますが、業者心理として安さの裏側にある『下限値』が存在することも、考え方のひとつとして持っていて頂ければ幸いです。
補足
本日は何故このような記事を書いたのかと言うと、最近『以前相見積もりをとられたお客様から頂いたお電話』がキッカケです。
・弊社よりもウン十万円安かった塗装業者に施工を依頼したが、施工後の塗膜はく離が起きてしまった。
・職人の態度も相当悪く、色々と目に余る部分があった。
・是正依頼を申請したが一向に返事が来ず、その後連絡が取れなくなった。
・・・というような内容のお電話で、受話器越しからは落胆されていたご様子でした。
このような話を聞いてしまうと、こちらとしても辛いですし残念な気持ちになってしまいます。
弊社で施工した訳ではないので余計なことは言えませんでしたが、同業者としてはこれ以上同じような思いをする人をゼロにしたい。
なんとか、良い業者選びのためのコツを沢山の人に発信することはできないか?!という気持ちから本記事を書きました。
業者目線・・・いや、私目線すぎる内容に、お気を悪くしてしまったらすみません。